劇場型恋愛体質。

今回のメルマガ【水谷加奈の劇場型恋愛体質】より。

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　大雨。ざっとふってきました。
会社を出たときは小雨だったので、
このくらいならすぐやむだろう、フードつきヤッケを持っているから大丈夫だと思っていたら、
やむどころかどんどん強くなり…。
自宅近くの駅に着いた19時頃は滝のような雨。改札や店の軒先は途方に暮れる人々で溢れています。
私はとりあえずフードをかぶって駅前のお肉屋さんにダッシュ。
夕食はこの店の惣菜と決めていたものですから。
メンチカツ2枚とチキンカツ2枚を買って799円。
800円を渡したところ、なぜか11円のおつりが返ってきたので、間違っていますよ～と10円戻したところ、
店のおじさんが恥ずかしそうに笑っていました。

さてさて、もう少しで雨のピークは過ぎるだろうとお肉屋さんの軒を借りていたのですが5分、10分…
弱くなりません。
すると見た事あるような高齢の男性が私の目の前に駆け込んできました。
もしかしてお隣のお父さん？違う？声をかけるほどの自信はありません。
（そのくらいのおつきあいってことです）
直後に、見慣れた黄色い自動車がやってきて男性を拾っていったので、あー、やはりお隣さんだったか、と。
御近所付き合いがあれば乗っけてもらえたんだろうなあ…と複雑な気持ちになっていたら
「あのう、すみません」
という声が聞こえてきました。
振り向くと、
「よかったらこれ、使ってくださいよ」
と、お肉屋さんの御主人がニコニコしながら傘を差し出してくれています。
「じゃ、お言葉に甘えてお借りします！」
ありがたく受け取り、まだ止まぬ大雨の中、いろいろなことを考えながら歩きました。
（お隣さんとは縁がなかったけれど、肉屋のおじさんには助けてもらった。
あ、おじさんが間違えて10円多くおつりを渡したことを私が正直に言ったのもよかったのかなあ。
正直でいるといいことあるんだ。
それにしても近所付き合いが希薄だとこういうときにも影響するんだな。
もちろんお互い挨拶くらいはするけれど
「私も乗っけてくださーい」
「あら、どうぞ！」
というほどの関係ではない。
お隣の家ともっと仲良くしていたら雨にぬれることもなかったんだろう。
確かお隣さんは5人家族。お母さんの顔は分かる、お父さんもなんとなく。
でもおばあちゃんと子供2人の顔は見たことない…）

“捨てる神あれば拾う神あり”
“正直者に神宿る”
“遠い親戚より近くの他人”
そして家に着いた瞬間、雨は急激に小降りになったのでした。
マーフィーの法則だ、こりゃ。

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