劇場型恋愛体質。

今回のメルマガ【水谷加奈の劇場型恋愛体質】より。

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たまに行く近所のとんかつ屋さん。
６０代後半くらいの御夫婦二人でやっていらっしゃるのですがいつも行列。豚肉自体に甘みがあるのでソースでなく塩で食べてもおいしいというのが売りです。
先日訪れたところ張り紙が。
【１２月末をもって閉店させていただきます。ありがとうございました】
とのこと。えー、ショック！女将さんは、
「４０年以上やってきましたからねえ」
と静かに笑っていらっしゃいます。
残念だな。おいしかったのに。
最後になるかもしれないとんかつの味をかみしめていたところ、
入口で順番を待っていた親子の子供が大声でおしゃべりを始めました。
そんなに気になるほどではなかったのですが、その子に向かって女将さんが一言。
「ボク、ごめんね。もうちょっと静かにしてくれるかな」
　子供は素直に静かになりました。
子供とはいえお客さんに注意するのはとても難しいことですが、
女将さんの声はやんわりと穏やかでとても感じよかった。
ああ、こういうことが大切なんだな、と。だから長年店をやってこられたんだな、と。
　店を出るときうちの息子が、
「豚汁おいしかったです」
と挨拶したところ女将さん、嬉しそうでした。
カウンターの中では黙々とカツを揚げる御主人の姿が。
お２人ともお疲れ様でした。


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