「恐れ入ります。リュウジくんなんですが・・・」
わー、きたー。イヤな予感。
学校や習い事の教室から連絡が来る時って大体怪我とか病気なんだよ。
遊具から落ちて青タンつくったとか、友達が飛ばした輪ゴムが目に当たったとか、
給食の牛乳おかわりじゃんけんで興奮してゲロ吐いたとか。
特に２年前が頭によぎる。
あのときは通り掛かりの人が電話してくれた。
知らない番号が表示されるときは出ないんだけど、なーんかムシの知らせがして出たんだよね。
そしたら自転車で転んで骨折してた。
急いでかけつけたら、腕ぶらーん。さすがに救急車呼ぶとき指が震えたよ。
ああ、トラウマ。
で、今回は～、
「お友達が間違えてリュウジくんのタオルを持っていってしまったようで～」
とのこと。
ほっ。
怪我じゃなくてよかった。
「次回までに調べますからー」
と申し訳なさそうに言うので、
「いいです、いいです。たいしたタオルじゃないので。なかったらなかったで大丈夫です！」
タオルの１枚や2枚いくらでもなくしてくれ！
そのあとリュウからも電話がかかってきた。
「ママ、先生からの電話、また怪我かと思ってビックリしたでしょー」
電話の向こうでニヤニヤしてるのがわかる。
もー、いつまでも心配させやがって。
そんなリュウジが12歳になった。おめでとう。
なんと、ねえねが１万円近くするゲームソフトをプレゼントしてくれたぞ！
ねえねが貧乏生活していることはリュウも知っているので、
ありがとう
より先に出た
申し訳ないです
というリュウの一言に笑った。