石垣島で心を洗ったワタシは、とても優しい気持ちになって東京に帰ってきた。
もっとおおらかで寛容で優しい人間になろう、と。
ただいまー、と学校から帰ってきてランドセルを放り投げ 裸足で遊びにいく石垣の子供を見て、
ああ、これでいいんだ、と。
そんな子供たちの姿を見てニコニコしている石垣のママを見て、
ああ、ワタシも子供たちにうるさく言うのはやめよう、と。
し、か、し。
家に帰ると、鍋や皿は洗わずそのまま。
服は脱ぎ散らかしたまま。
昼頃帰ってきて夜まで寝ている姿を見て・・・。
違う、こういうことじゃない。
石垣には生きる力ああった。
生きていく上でのスタイルがあった。
だから散らかしても放り出してもあまりあるエネルギーがあった。
力いっぱい走っていく清々しさがあった。
でも・・・うちのは、ただだらしないだけじゃんっ!
しかもよく考えたら、もう子供じゃないし。
17、8ならもう分別つく年じゃろーがー。
てか、【青春】じゃろーが。
寝とる場合やないんやーーー。
片さんでもええから、もっと生き生きと走ってったらどーじゃー。
そう気がついた瞬間ワタシの鉄拳が。
「片付けろー、わーれー」
そして脱ぎ散らかしていた服や下着を全て大きなビニール袋にいれてさっさと処理。
このくらいやらんとダメなのだ。
ひとしきり暴れたあと心を落ちつけるため、マフィンにスマイルを描いた。
なかなかうまくできた。
リュウのオヤツ。